B型肝炎訴訟の歴史|B型肝炎訴訟の教科書

B型肝炎訴訟の歴史はたった5人の被害者から始まった!

平成24年に特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案が施行され、過去の集団予防接種が原因でB型肝炎に感染した方には給付金が支給されることになりました。そんな給付金もですが突然前触れもなく始まったワケではありません。国に対して訴訟を起こした5人の戦いがあったのです。

 

B型肝炎の感染について18年かけて国と戦った5人

平成元年、国が行っていた過去の集団予防接種における注射器の使いまわしによってB型肝炎に感染した5人が、国に対して訴えを起こしました。しかし、道のりは平坦なものではありませんでした。

 

最初の裁判が開かれたのは訴えを起こしてから12年も経った平成12年。しかもこの第一審判決では国が勝訴しました。続く第二審はその4年後の平成16年。この第二審では国側が一部敗訴。そして最高裁までもつれたこの裁判も、その2年後の平成18年の最高裁判決で国の損害賠償責任が認められました。

 

18年間もの長い年月をかけて、ようやく5人は国を相手取った裁判で勝利を勝ち取ったのです。この時、5人に支払われた金額は慰謝料550万円と弁護士費用50万円でした。5人が受け取った金額はわずかなものだったかも知れません。しかし、この行動・結果によって全国のB型肝炎感染者が動き始めました。

 

全国に広がったB型肝炎訴訟。そしてようやく和解協議に・・・

5人で始まったB型肝炎訴訟でしたが、彼らの結果を受けて全国の感染者が行動を起こしました。平成20年以降、5人の先行訴訟と同様の訴訟が全国で提起されたのです。

 

それにより、平成22年に裁判所の仲介の下で和解協議に入るかどうかの検討が行われ、札幌地裁において和解協議の場が設けられました。そして平成23年に札幌地裁から和解の考え方が提示され、原告側・国側の双方が受け入れることを決定。その年に、国から基本合意書の締結と政府基本方針が表明されました。

 

そして、その翌年の平成24年、特定B型肝炎ウィルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法が施行されたのです。

 

そして今、和解を前提としたB型肝炎訴訟が行われている

特別措置法が施行されたことにより、過去の集団予防接種が原因でB型肝炎に感染した場合、給付金が支給されることになりました。但し、形式的とはいえ国に対して訴訟という形をとる必要があります。この訴訟では自分が『B型肝炎給付金の支給対象者であること』を証明するだけでOKです。

 

このたび施行された特措法では、平成24年1月13日から平成29年1月12日までの5年間と効力が定められており、この期間内に限り、裁判の簡素化が行われます。なお、この集団予防接種など(予防接種またはツベルクリン反応検査)が原因で、B型肝炎ウイルスに持続感染した対象者は、最大で40万人以上と推定されています。

 

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